【本レポ】編むのがたのしい、ニット / サイチカ

今季の編み物本、新刊購入第一弾は、サイチカさんの『編むのがたのしい、ニット』


Amazonで中身を見れる範囲で、新刊を見比べたのですが、本書がダントツでツボでした。
扉ページ。なんの毛糸かな?
最近はデザイナーさんのコメントも楽しみの一つに。
もくじ

 作品紹介(抜粋)

荒波と生命の樹のアランカーディガン
のっけから、がっつーーーん!と、きました。
新しいアランの提案、ですね。

アランといえば、基本、縦に模様が繰り返されているものだけど、これは力強いジグザグが横にがっつり入って、縦の模様をぶった切ってます。まさに荒波のよう。
色も生成りやグレー、ネイビーといった安パイ色ではなく、薄紫ピンク?と、やや緑がかったインクブルー。

で、これだけ新しいことをやっているのに、破綻がないというか、奇天烈でも突飛でもない…アランカーディガンとしての佇まいは崩れていない。

参りました。
いやー、やっぱりすごいわ。

使用糸はブリティッシュエロイカ。


荒波アランの帽子
これもすごい。

ニットキャップは、どのニット作家さんもデザインされてると思うし、私もたくさん目にしてきました。
このシルエットは、そのどれにも似てない。
なのに、ヘンじゃない。 ←ここ重要

カジュアルな冬服を着てこれを被っていたら、きっと「きゃーなにその帽子?! かわいい〜! どこで買ったの?」って言われると思う。私だったら言うw
日常に溶け込む個性的なアイテムって、なかなか無い。

使用糸はブリティッシュエロイカ。


編みながらスモッキングするセーター
去年の本(今着たいセーター)の表紙作品は、編んでからスモッキングするセーターでしたが、今年は更に進化。編みながらスモッキング。

で、進化したのはテクニックだけではなく、この形!
なんてかわいいの〜〜〜( TДT)

去年のスモッキングセーターにもかなり魅了されて、絶対編むつもりだったけど、この進化版を見た後だと、もう、古く見えてしまう……恐ろしいw

編み物作品としてはテクニカルで編むのが楽しそうだし、洋服として見ても素敵で、完成後に自分のワードローブに加えるのが楽しみ。
これほど魅力的なニットも、そうそう無い。

使用糸はシェットランド。


永遠のギンガムチェックのセーター
褒めちぎってきたところで、バランスを取るわけじゃないですが、ちょっと苦言をw

これはモデル着用写真にNGを出したくなりました。
この写真では襟ぐりやシルエットが全く分からない。

柄はかわいいけど、きっと肉厚だろうし、リアルクローズではないかな〜。
でも柄はかわいい(2度言う)

柄の提案だから、ラウンドネックだろうがなんでもいいじゃん、てことで、この写真なのかな〜と深読み。

使用糸はシェットランド。


哲学者のセーター
今回、黒が多いです。
素晴らしいことですw (元カラス族)

黒のニットは模様編みをしても模様が分かりづらいので、シルエット勝負のデザインにすると使えるな〜と改めて気付かされる作品。

だから背景は、シルエットが際立つように淡い色にして欲しかったな〜と思ったけど、もしかすると、そうしたらそちらからの反射で、ニットの影の部分まで白っぽくなって黒の良さが飛んでしまうのかも?
それに黒×黒だからこそ、じっと注意深く見つめてしまう効果もあるのかもしれない。
(実は袖と身頃の接合部分が、かぎ針の細編みと鎖)
ふぅむ…

(この写真ではニットと背景がかなり馴染んでしまってますが、本を肉眼で見れば、当然しっかり区別はつきます)

使用糸はクイーンアニー。


かかとセーターと靴下
これも、ひとひねりというか、スパイスの効いたリアルクローズで素晴らしい。

右ページのボーダーソックスとお揃いのボーダーセーターが左ページ。
ソックスのかかとの赤色のパーツが、セーターの肘にも入っていて、「ああ〜〜アイデアだなぁ〜」。

黒×グレーのボーダーのセーターなんて、世の中に腐る程あるけど、こういうワンポイントでキャラが立つ。

使用糸はアルベロとミニスポーツ。


フェアアイルのカーディガンと帽子、指なしミトン
フェアアイル。
右ページがカーディガンで、左ページがお揃いのキャップとミトン。

「伝統模様だから、私も身近な暮しの風景から」と考えて、東京の地下鉄や車の流れ等々からインスパイアされたとか。言われてみれば確かに、この配色は東京の地下鉄の案内板を思い出すw 面白いな〜アリだなぁ〜〜。

カーディガンの前を留めてるのにボタンが見えないのは、スナップボタンだから。あ〜、トーキョーぽい、なんとなく。寡黙な感じ。

…というか。
カーディガンを編んで、そろそろ前立てだしボタンを決めなくちゃ…という段になって、どんなボタンにしよう? カラフルなプラスチック? 素朴な木は違うし水牛は重いかな? トーキョー×車=メタルボタン? 等と、あれこれ想像する時、スナップボタンという選択肢が浮かぶ人がどれだけいるだろう。

左ページのキャップは、ポンポンの色がワンピースの色と合わせてあってちょいオサレ&ポンポンがちょい大振りでボリューム感がカワイイ。

使用糸はクイーンアニー。


ガーター編みの富士山セーターとシュークリーム帽
これ、ドレープドレープぽくて好きです。
…正直なところ、あまり、着たいとも編みたいとも思わないんだけど…たぶん似合わないし、延々ガーターだし(^^ゞ
ただなんとなく、“洋裁の発想”ぽいな〜、文化服装学院出身の人っぽいなぁ〜、と嬉しくなってしまった作品w
うまく言えないけど…
普通に、趣味の編み物の延長でデザインを考えると、前身頃と後ろ身頃と袖、という常識に囚われて、こういうのは出てきにくいんじゃないかと…前述のスナップボタンもそうだけど。
私は頭の固い人間なので、こういうアイデアを見せられるとすぐに「うぉ〜すごいなーよく思いつかはったな〜」とあっさり感心してしまう(^^ゞ

使用糸はシェットランド。



…というわけで、今季の編み物本の中でたぶんイチオシです。購入1冊目ですが(^^ゞ

今年は三國さんが新刊を休まれるので、『編みたいリスト』の消化が捗りそうだな〜と、ちょっとホッとしていたのですが……ああ〜困ったw


以下はサイチカさんの既刊2冊。どちらも保有しています。(Always Now: サイチカ


使用糸(上記で作品紹介した分のみ)


ドレープ ドレープ

中上級者向けの洋裁本。素敵ですよん。

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